HOME > コラム > 重要なフィッティング

フィッティングの重要性

せっかく正確な検査をして度数を決定しても、メガネがちゃんとお客様の目と顔にフィッティングされていなければ、掛け心地が悪く、見えにくくなったり疲れたりします。
お客様の目の度数もさまざまですが、お客様の顔や頭の形はもっとさまざまで、それぞれのお客様に合うよう調整する必要があります。

@テンプル(つる)幅合わせ

メガネフレームを顔の形や頭の形状に合わせます。
側面に均一で適度な圧力があって、接触部分に負担をかけすぎないように沿わせるように調整します。
こめかみより後ろで、耳上部より少し前方部分から接触するくらいがちょうどよいです。幅は、広すぎても狭すぎてもずり落ちる原因となります。

Aフレーム内の目の位置を合わせる

美観をそこねないように、フレーム内の目の位置を調整します。
玉型の上下の中心より少し上に、目の中心がくるくらいの装用の高さが、バランスがいいです。
レンズの光学中心位置は、この目の位置を参考に決定するのですが、見るものや姿勢など使い方によってこのレンズの光学中心位置を下げ気味にしたり内寄せ気味にしたりします。

B鼻パッド(鼻あて)の位置合わせ

左右均等に当たるように、鼻パッドを鼻周辺の形状に合わせて調整します。Aのフレーム内の目の位置を合わせながら鼻パッドを調整します。
ストレスなくフレームが安定するようにします。

C目とレンズの距離

目とレンズの距離の目安は12ミリとなっています。これは、検査の時に約12ミリで測定しているので、実際メガネを作る時に12ミリより遠くなったり近くなったりすると、見たときの度数(装用度数)が強くなったり弱くなったりしてしまうからです。
しかし、まつ毛が当たったり、顔にくっつくなどの状況や、フレームの縁が気になるなどの状況で、意図的に近づけたり離したりする場合は、その分だけ度数の方を調整したりもします。
また、目とレンズの距離によって視野の広さが変わってくるので、空間視の違和感なども加味して調整します。(近づけると視野は広く、離すと視野は狭くなる)

D傾斜角の調整

レンズの傾斜角はよく使用する視線となるべく直交(視線と光軸の一致)するようにします。遠用・常用で10度くらい、近用などは15度〜20度くらいが目安です。
一般には、常に水平に視線を向けていることは少なく、だいたい5〜10度下方に傾く方向が楽な視線です。
近方を見るときは、さらに下方に向けるので、レンズもその分だけ傾斜していた方が使いやすいです。

Eそり角の調整

水平方向も調整します。光学的理論上、近方を見るときは内ぞりが良いのですが、美観的問題から、180度からやや外ぞりの場合が多いです。
しかしながら、装用感の問題が発生する場合は、このそり角を調整します。

Fテンプル(つる)の調整

テンプル(つる)を耳の形状に沿うように調整します。
耳の付け根の後ろ側の形状は、人さまざまです。敏感な部分でもあるので、強く圧迫しないように注意します。
耳の後ろの形状によって曲げる角度と、耳の後ろの頭の形状による抱え込みカーブがポイントです。